ホーム > 知っておきたい発達障害メディア > 発達障害のある子が運動会で踊らないときは?参加を支える考え方

2026.08.07
子育て・育て方悩み
運動会の練習が始まると、「音楽が流れても踊らない」「本番で泣いたらどうしよう」と心配になる保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。わが子にも周囲と同じように参加してほしいと思うのは自然なことです。
一方で、発達障害のある子が運動会で踊らないことを、意欲のなさや問題行動と捉える必要はありません。大きな音、人の多さ、複雑な振り付け、予定の分かりにくさなど、本人にとって負担となる背景が重なっている場合があります。診断が同じでも、感じ方や参加しやすい方法は一人ひとり異なります。
この記事では、運動会で踊らない・泣く・参加を渋るときに考えられる背景と、家庭や学校で相談できる対応を紹介します。「みんなと同じように踊ること」だけをゴールにせず、本人が安心して関われる方法を考えていきましょう。
子どもが踊らない理由は、外から見ただけでは分かりません。「発達障害だから」「運動が苦手だから」と一つの原因に結びつけず、どの場面で負担が強くなるのかを具体的に確認することが大切です。
教室では踊れても校庭では難しいなど、場所や状況によって様子が変わる場合もあります。できたかどうかだけでなく、音量、人数、待ち時間、説明方法などの条件を見ていきます。
運動会では、放送や音楽、笛、歓声など複数の音が重なります。いつもより多くの人が集まり、立つ場所や活動の順番が変わることもあります。音や人の多さが気になる場合もあれば、次に何をするのか分からないこと、動きを覚えること、長く待つことに負担を感じる場合もあります。
振り付けでは、見本を見る、左右を判断する、音に合わせるなど、複数の動作が必要です。身体の使い方に戸惑いがある子は、「どこから始めればよいか分からない」場合もあります。
「どの音が気になるか」「待ち時間が長いと疲れるか」など、場面を小さく分けて確認します。背景を決めつけず、本人の言葉や表情を手がかりにします。
運動会で泣く、その場から離れようとする、固まるといった様子は、負担が強いサインの場合があります。理由を問い続けたり、周囲に合わせるよう急かしたりせず、安全を確保して落ち着ける場所で休めるかを考えます。
運動会への参加は、最初から最後まで全員と同じ動きをすることだけではありません。練習の一部分に加わる、離れた場所から見る、入退場だけ参加する、応援や係の役割を担うなど、学校と相談できる可能性があります。見学や一部参加が可能かどうかは、学校の判断や安全面、当日の運営体制によって異なります。
安心して会場にいられたことも大切な経験です。参加の形を狭く決めず、本人の負担を基準に考えます。
放課後等デイサービスでは、見本を見る、目印に沿って動く、順番を待つ、自分のペースで身体を動かすといった活動にも取り組んでいます。各事業所の活動から、運動会にも応用できる視点を紹介します。
活動への参加が、運動会で踊れることを保証するものではありません。家庭で再現するのではなく、本人に合う環境を考えるヒントとして捉えます。
蒔田駅前の事業所では、床の矢印を見てフープへ移動する運動を行っていました。上永谷の事業所では、見本のあとに動作を順番に行うサーキット活動に取り組んでいます。StepUP蒔田通町教室でも、取り組み方を調整するバランス運動が実施されていました。
運動会のダンスでも、全曲を一度に覚えるのではなく、最初の姿勢、手の動き、移動する方向などに分ける方法が考えられます。立つ場所に目印を付ける、写真や短い言葉で順番を示す、練習前に見本を見るといった工夫も、学校へ相談できる内容です。
見通しを示す目的は、間違えずに踊らせることではありません。本人が「やってみる」「今は休む」を選びやすくすることが大切です。
いどがやでは音楽に合わせて自由に身体を動かす活動、小田栄では身体をほぐしてから始めるダンスが行われていました。やこう幸では準備運動や休憩を組み込み、ししがやでは見本や選んだ曲を取り入れています。
集団活動でも、動きの大きさや参加時間まで同じである必要はありません。音を小さくして確認する、休憩の合図を決めるなど、負担に応じた方法が考えられます。
また、港南台の事業所では、ペアでの運動や順番のあるゲームが行われていました。川崎西口の事業所では、順番に取り組む人と、言葉で方向を伝える人が関わる活動がありました。実際に踊ることだけでなく、待つ、見る、応援する、合図を伝えるといった関わり方も集団参加の一つです。
運動会への対応を家庭だけで抱える必要はありません。学校と家庭で様子を共有し、負担を感じやすい場面と安心しやすい条件を整理します。
学校へは、診断名だけでなく「大きな音が続くと耳をふさぐ」など、具体的な様子を共有します。
まず、練習の開始時期、練習場所、音楽や放送の有無、当日までの大まかな流れを確認します。本人が不安を言葉にできる場合は、苦手な場面だけでなく、「見本があると分かりやすい」「端の位置なら参加しやすい」といった安心につながる条件も共有します。
学校へ相談したい内容は、次のように整理できます。
| 確認すること | 学校へ伝える例 | 相談できる工夫の例 |
|---|---|---|
| 音や人の多さ | 放送や歓声が重なると負担が強くなる | 距離を取る、休める場所を決める |
| 予定の見通し | 順番が分からないと動きにくい | 写真や短い予定表で示す |
| 動きの分かりやすさ | 複数の動作を同時に行うと戸惑う | 見本を近くで見る、動きを分ける |
| 参加できる範囲 | 長時間の待機で疲れやすい | 一部参加、途中休憩を相談する |
可能な対応は、施設、教職員の配置、安全面などによって異なります。本人の困りごとと学校の状況を共有し、実施できる方法を話し合います。
「踊るか、欠席するか」の二択にせず、見学、短時間の参加、特定の場面だけ参加、別の場所で待機するといった選択肢を学校へ相談します。本人の希望を聞くときも、参加を約束させるのではなく、「どの場面なら安心できそうか」「休みたくなったら誰に伝えるか」を一緒に確認します。
家庭での練習が安心につながる子もいれば、休む時間が減って負担になる子もいます。本人が希望する範囲で短く行い、嫌がる様子や疲れが見られたら中止します。練習量を増やすことだけを解決策にしません。
当日に泣いたり動けなくなったりした場合は、事前に決めた合図や休憩場所を使い、落ち着いてから本人の希望を確認します。参加できなかった部分を責めず、安心して過ごせた時間や、自分から助けを求められたことにも目を向けます。
発達障害のある子が運動会で踊らない背景には、音、人の多さ、動き、待ち時間などが重なる場合があります。踊らない姿だけで原因を決めつけず、本人が困っている場面を確認することが大切です。
運動会のゴールは、全員と同じように参加することだけではありません。見学や一部参加を含め、本人が安心して関われる方法を学校と相談します。参加方法を変更することは、保護者や子どもの努力が足りないという意味ではありません。
運動の苦手さには、身体の動かし方、見本の捉え方、動くタイミング、音や周囲の刺激への負担、不安などが関係する場合があります。ただし、運動が苦手という行動だけで発達障害とは判断できません。本人が難しく感じている場面を具体的に確認します。
大きな音への苦手さは、発達障害のある子に見られる場合がありますが、音が苦手という行動だけで発達障害とは判断できません。音の種類、音量、距離、疲れなどによって感じ方は変わります。生活上の負担が続く場合は学校や専門機関へ相談します。
集団活動に入りにくい様子だけで、発達障害とは判断できません。指示が分かりにくい、人の多さに疲れる、活動の見通しを持ちにくいなど、複数の背景が考えられます。「できない」と決めつけず、参加しやすくなる条件を確認することが大切です。
見学や一部参加が可能かどうかは、学校の判断や安全面、当日の運営体制によって異なります。本人が負担を感じる場面と希望する参加方法を具体的に伝え、担任や特別支援教育コーディネーターなどへ早めに相談してください。
運動会への不安や発達に関する困りごとは、家庭だけで抱え込まず、次のような公的な窓口へ相談できます。
心身の不調が続く場合は、かかりつけの小児科など医療機関への相談も検討してください。
まずは学校や地域の窓口にご相談ください。放課後等デイサービスも、選択肢の一つです。

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