ホーム > 知っておきたい発達障害メディア > 小学生の行き渋りとは?二学期前に知りたい対応と家庭でできる工夫

2026.07.27
子育て・育て方悩み
夏休みが終わりに近づくと、「二学期から学校へ行けるだろうか」「朝になると嫌がるようになったら、どう対応すればよいのだろう」と不安を感じる保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
小学生の行き渋りには、生活リズムの変化、学校での過ごし方への不安、人との関わり、学習や集団活動の負担など、さまざまな背景が重なることがあります。保護者の接し方や、子どもの努力不足が原因とは限りません。また、登校できることだけを唯一のゴールにすると、子どもにも保護者にも負担が集中してしまうことがあります。
この記事では、行き渋りとはどのような状態なのかを確認したうえで、療育(子どもの発達や日常生活を支える取り組み)の現場で行われている活動をヒントに、家庭でできる工夫や相談先を紹介します。原因を決めつけるのではなく、「何が負担になっているのか」「どのような支えがあると安心できるのか」を一緒に考えていきましょう。
「行き渋り」とは、学校へ向かうことに強い抵抗や不安を感じたり、登校前になると動き出しにくくなったりする状態を表す一般的な言葉です。医療上の診断名ではなく、現れ方も一人ひとり異なります。
たとえば、朝の支度が進まない、家を出る直前に気持ちが崩れる、腹痛や頭痛などを訴える、登校について話そうとすると黙り込むといった様子が見られることがあります。ただし、一つの様子だけで行き渋りや不登校、発達障害などを判断することはできません。体調不良が続く場合には、無理をさせず医療機関へ相談することも大切です。
子ども自身も、なぜ学校へ向かいにくいのかを言葉にできるとは限りません。「どうして行けないの」と答えを急がせるより、今感じている負担を受け止めるところから始めます。
夏休み中は、就寝や起床の時刻、食事、外出、家庭での過ごし方が学校のある日とは変わりやすくなります。いどがやの事業所でも、夏休みに入った時期に生活リズムを意識する話題が取り上げられていました。生活リズムの変化だけが行き渋りの原因になるわけではありませんが、学校時間へ急に戻すことが負担になる場合はあります。
また、長い休みのあとには、時間割、教室での過ごし方、人との関わりなど、先の予定をイメージしにくいこともあります。蒔田駅前の事業所では、夏休み前に室内での課題や創作、屋外での活動を組み合わせて過ごしていました。活動の内容や順番が分かることは、次に何をするか考えるための手がかりになります。
発達障害のある小学生の行き渋りへの対応を考えるときも、「発達障害だから学校へ行けない」と結びつけないことが重要です。予定の変更が負担になりやすい、集団の中で情報を受け取ることに疲れやすい、音や光などの環境が気になる、人とのやり取りに不安があるなど、背景はそれぞれ異なります。診断の有無だけで、必要な対応を決めることはできません。
家庭では、登校できたかどうかだけを見るのではなく、睡眠や食事、朝の表情、学校の話題が出たときの様子などを確認します。「月曜日に特に不安が強い」「予定が分からないと動きにくい」といった傾向が見えてきたら、学校や相談機関へ状況を伝える材料になります。
放課後等デイサービスでは、学校へ行かせることを目的とするのではなく、日常生活や人との関わりを支えるさまざまな活動に取り組んでいます。ここでは、各事業所の活動から、二学期前の準備にも応用できる考え方を紹介します。どの活動が合うかは一人ひとり異なるため、同じ方法を家庭でそのまま再現する必要はありません。
StepUPでは、一週間の予定を書き出したり、複数の予定から取り組む順番を考えたりする活動が行われています。予定を頭の中だけで整理するのではなく、紙など目で確認できる形にすると、「今すること」「その次にすること」を一つずつ考えられます。
二学期に向けては、始業式までの予定、起きる時刻、朝の準備などを短い項目に分ける方法が考えられます。大切なのは、計画どおりにできたかを評価することではありません。予定が変わったときには一緒に書き直すなど、見通しを確認するための道具として使います。
港南台の事業所では、カードゲームとペアで行う運動を組み合わせた活動が行われていました。順番を待つ、相手の動きを見る、タイミングを合わせるといった要素が含まれています。上永谷の事業所でも、複数人で一つのものを組み立てる活動がありました。
集団活動というと、全員が同じ方法で参加する姿を想像しがちです。しかし、見て参加する、道具を渡す、一部分を担当するなど、関わり方には幅があります。学校の集団場面に不安がある場合も、「最初から全部参加する」以外の選択肢を学校と相談できると、負担を整理しやすくなります。
SST(ソーシャルスキルトレーニング)は、人とのやり取りや生活場面で必要になる行動を、活動を通して考える取り組みです。StepUPでは、行事について意見を出し合う活動や、ルールのあるゲームで役割を相談する活動が行われていました。やこう幸の事業所では、暑い日の過ごし方をテーマに、外出時に必要なものを選ぶ活動が行われています。
こうした活動には、自分の考えを伝える、相手の話を聞く、選択肢から選ぶといった要素があります。ただし、SSTを行えば行き渋りが改善するというものではありません。子どもが自分の気持ちや必要な助けを伝えるための、経験の一つとして捉えることが大切です。
二学期が近づいたからといって、起床や就寝の時刻を一日で大きく変える必要はありません。まずは起きる時刻を少し早める、朝食後に着替える、午前中に短い予定を入れるなど、家庭で変えやすいところから始めます。
できなかった日があっても、叱ったり取り返そうとしたりせず、翌日に調整すれば十分です。生活リズムを整えることは登校を約束するものではなく、心身の負担を確認しやすくする土台の一つです。保護者だけが責任を負うものでもありません。
子どもが不安を言葉にしにくいときは、「学校へ行ける?」という大きな質問ではなく、「朝の準備と教室では、どちらが心配?」「予定が分かると少し安心できそう?」など、答えやすい聞き方を試します。答えが出ないときは、すぐに話すことを求めず、時間を置くことも選択肢です。
登校するか休むかの二択にせず、学校へ相談する、担任と話す、校門まで行く、別の場所で過ごせるか確認するなど、途中の選択肢を考えます。どこまでならできるかを子どもと一緒に確かめ、難しいときには計画を戻したり変更したりします。
家庭だけで対応を抱え込まず、在籍校の担任、養護教諭、スクールカウンセラーなどへ早めに相談します。家庭で見られる様子や、本人が不安に感じていること、安心しやすい声かけなどを共有すると、学校で可能な配慮や過ごし方を相談しやすくなります。
「まだ休んでいないから相談するほどではない」と待つ必要はありません。登校への不安が見え始めた段階でも相談できます。学校との話し合いでは、登校だけを目標にせず、安心して学びや人とのつながりを保つ方法を一緒に考えることが大切です。
小学生の行き渋りは、本人や保護者の努力不足で起こるものではありません。生活リズム、学校での環境、人との関わり、学習、予定の変化など、さまざまな背景があることを前提に、本人の様子を丁寧に確認します。登校できたかどうかだけで判断せず、安心できる時間や場所、相談できる相手を増やしていく視点が大切です。
相談先には、次のような窓口があります。
行き渋りは、学校へ向かう前後に不安や抵抗が見られる状態を指す一般的な言葉です。不登校は、文部科学省の調査で、心理的・情緒的・身体的・社会的要因や背景により年間30日以上欠席し、病気や経済的理由による欠席を除くものと定義されます。欠席日数だけで支援の必要性を判断せず、早めに学校へ相談することが大切です。
小学生の行き渋りには、生活リズムの変化、学習や集団活動の負担、友人関係への不安、予定変更への戸惑いなどが重なる場合があります。原因が一つとは限らず、子どもが言葉にしにくいこともあるため、周囲が急いで決めつけない姿勢が大切です。
発達障害の特性が、学校生活の負担につながる場合はあります。たとえば予定変更への不安、感覚の過敏さ、集団で情報を受け取る難しさなどです。ただし、発達障害だけで行き渋りを説明することはできません。子どもの困りごとを具体的に見て支援を考えます。
行き渋りが続く期間には大きな個人差があり、短期間で落ち着く場合もあれば、支えを受けながら時間をかけて向き合う場合もあります。無理に登校だけを急がず、学校や地域の相談先とつながりながら、今の負担に合った対応を考えることが大切です。
まずは学校や地域の窓口にご相談ください。放課後等デイサービスも、選択肢の一つです。

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